2018.04.19
全国のご当地映像の裏側を紹介するこのコーナー。
今回は第7回観光映像大賞のファイナリストに選出された福岡県田川市のPR動画『蕾 tsubomi~光咲くまち~』(※写真①)について、田川市役所の方にインタビューを行いました。
さてどんな裏側があったのか早速伺っていきましょう。
―本作の撮影地を教えてください。
田川市(※写真②~③)は、炭坑の街として栄えた歴史や文化を継承し、豊かな自然に恵まれた、人情味あふれる街です。
街には、国登録有形文化財である二本煙突や竪坑櫓がそびえたち、炭都の面影を残しています。
毎年5月には、今回のプロモーションビデオの舞台となっている、福岡県の5大祭りの1つ、福岡県無形民俗文化財の川渡り神幸祭があり、活気にあふれ多くの人で賑わいます。
人口は48,511人、年間の観光入込客数は約650,000人です。
―動画制作のきっかけを教えてください。
田川市は、かつて炭坑のまちとして栄えた炭都でありますが、炭坑閉山に伴い産業の衰退や人口が減少し、「暗い町」のイメージが残っています。
しかし、日本で初めてユネスコ世界の記憶(世界記憶遺産)に登録された山本作兵衛コレクションを始め、数々の炭坑遺産、美しい自然、季節を彩る花々などたくさんの魅力があり、活気溢れるまちです。
その街の魅力を多くの人に伝え、「暗い町」のイメージを変えることが課題でした。
近年は、自治体の動画PRが乱立している状況で、あらゆる自治体が観光資源を魅力的に見せる動画を活用したPRに注力していますが、多くの自治体は、その数多な動画の中に埋もれている現状もありました。
そこで今回は、田川市の地域資源、魅力である自然、文化、歴史などの“モノ”、そして街に生きる人たちが生き生きと魅力を発信することを、他の自治体と差別化して PRできる映像作品であることを基本方針として制作しました。
単なるイメージ映像でつないだPR動画ではなく、田川市民が市の魅力の一部となり、市民が自負、誇り、愛着を抱ける映像を制作することを心がけ、撮影時期を田川市が1年で一番熱い「川渡り神幸祭」の時期とし、また、主人公に若い女性を配することにより、若年層の共感を呼び、その層からの田川市への興味の喚起を狙いました。
―本作のアイデアはどこから生まれたのですか?
自然、歴史、人…「静」と「動」の魅力にあふれた田川市を「写真」と「動画」で紹介したいとの思いから、主人公をカメラマンに設定。
主人公が写真で切り取る街の風景、そして、光きらめき息づく田川市を動画として構成するストーリーとしました。
―動画を公開してから、どのような反応がありましたか?
同時期に、有名なコメディアンを起用したPVが話題となり、マスコミ等にも取り上げられていたが、本市のPVは、有名なタレント等の起用がなく、マスコミ受けするような派手な演出もない中、予想をはるかに超える5万回以上の視聴回数を達成できました。
―最後にこだわられた点を教えてください。
田川市に受け継がれる伝統と新しい魅力を伝えたいという強い気持ちから、地方PR動画としては異例の18分を超える長尺の短編映画にチャレンジしました。
また、主人公役に田川市出身の女優、大和田紗希さんを起用し、エキストラの皆さんも地域の方々に出演していただくなど、田川市に縁のある人ばかりの出演となりました。
音楽、コーディネーターなども田川市出身者を起用するなど、細部に亘り地域に密着した作品としました。
―ありがとうございました。
■今回の映像
『蕾 tsubomi~光咲くまち~』
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取材協力:田川市 たがわ魅力向上課様
制作者プロフィール:
株式会社読売広告西部
企画制作部 部次長 クリエイティブディレクター 江口 直行(※写真④)
株式会社読売広告西部
北九州支社 営業課 高本 潤(※写真⑤)
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